べったら漬けといったら、東京の名産物として知られています。
甘さが特徴の、大根の米麹漬けです。
そんなべったら漬けですが、宮内庁御用達があるようなのです。
宮内庁御用達。
気になるワードですよね。
ぜひ同じものを食したくなってしまいます。
そこで、今回は、宮内庁御用達があるといわれているべったら漬けについて調査していきたいと思います。
どんなお店なのか、どんな経緯なのかを調査し、ぜひ宮内庁御用達の味を試してみてくださいね。
宮内庁御用達のべったら漬けはあるの?どこのお店!
出典:http://www.niitakaya.co.jp/bettara-duke/
東京の名産物としてしられているべったら漬け。
宮内庁御用達のお店があるのです。
それは、東京新高屋です。
本店は日本橋浜町の近くに構えています。
しかし、店舗での販売は行っていないので要注意です。
要予約のみの受付で、ザラメを贅沢にたっぷり使った特選べったら漬けが人気です。
こちらは、昭和天皇の大好物だったようですよ。
購入は、amazonや楽天市場などで気軽に購入する事が出来ます。
出向いて高い敷居をまたぐより、簡単で馴染みやすい購入方法ですよね。
宮内庁御用達になった歴史をみてみよう!
出典:http://www.niitakaya.co.jp/history/
では、なぜ東京新高屋が宮内庁御用達のべったら漬けのお店となったのでしょうか。
それには長い歴史があるのです。
今から約90年前、新高屋は、総菜、煮豆、漬物などの製造、小売店として産声を上げました。
とても不況の世の中でしたが、そんな中でも、新高屋の事業は順調に発展します。
5年後には、法人となる事に成功しました。
その後、第二次世界大戦の影響で、東京都台東区台東に移転をします。
この時に、漬物の専門メーカーとして事業内容の変革を行いました。
そして、創業者は、べったら漬けにも挑戦しようと考え付きます。
浅草猿若町の二丁目茶番という店がべったら漬けを牛耳っていたので、この店を調査し、商品化に成功しました。
どんどん成長し、べったら漬けの新工場を埼玉県深谷市に一部移転しました。
昭和29年には、全国漬物品評大会において、農林大臣賞を受賞。
これにより、新高屋は東京名産のべったら漬けで飛躍的に知名度を得たのです。
販路は瞬く間に、全国に広がっていきます。
しかし、人気になるとともに、深刻な原材料不作に悩まされました。
そこで新たに探し当てたのが、栃木県の日光戦場ヶ原です。
その開拓地で大根を作っているらしいという噂を聞いて、創業者は早速足を運びました。
農民に頼み込み、高冷地大根の糸口をも発見します。
これで、安定的な原料を確保する事が出来るようになりました。
開拓地にとっても安定的な収入を得ることに繋がり、創業者は非常に感謝されるようになったのです。
そして、ここからが新高屋にとって、大きなターニングポイントとなります。
たまたま天皇陛下のご静養先である宮内庁那須御用邸に開拓地が隣接していることを知ったのです。
そこで、開拓へのお礼も兼ね、高冷地大根とべったら漬けを献上したのです。
新高屋社長夫妻や開拓スタッフは、感激して仕方なかったようです。
これから毎年、継続して献上するようになっていたところ、当時昭和天皇の料理版と呼ばれていた宮内庁大膳課主厨房長により、べったら漬けを宮内庁大膳課へ納品するように注文が入ったのです。
昭和37年には、日光戦場ヶ原開拓地の大根栽培場に直接、昭和天皇、皇后陛下が見えられたようで、感激極まりない感情になったとのことです。
新高屋が納品と納入の実績を重ねた結果、昭和40年に宮内庁への通行証が発行されました。
これは、宮内庁御用達を意味するものです。
業界内でも、新高屋が宮内庁御用達になった時は、大騒ぎだったようですよ。
このような経緯で、新高屋は、宮内庁御用達となったのです。
長くなりましたが、このような苦悩、葛藤、努力、当時の創業者やスタッフは、言葉通り血と涙なくしては語れない歴史があったんですね。
宮内庁御用達と言われるには、これほどの根気ともちろん味や質があって、また人柄や真っすぐな志なども関係してくるのかなと思えて仕方ありません。
現在の新高屋はこのように話しています。
弊社および東京名産東京べったら漬けは、先人たちの大変な苦労の上に受け継がれているものでもあります。
それが伝統と呼ばれるものであり、我々は、この引き継がれる偉大な先人たちの精神を引き継ぎながら精進を重ねなければならないと日々、心に誓いながら業務に邁進する所存でございます、と。
まとめ
いかがだったでしょうか。
・宮内庁御用達のべったら漬けは、東京新高屋!
・新高屋のべったら漬けはザラメを贅沢に使ったもの!
・宮内庁御用達になるまでは、長い年月と努力と根気が生み出したもの!
・現在も新高屋は伝統を大事にしながらも進化を遂げている!
宮内庁御用達という言葉が付いたとたんに、世間に認知され、需要がたかまるかもしれません。
しかし、宮内庁御用達になるまでの道のり、歴史を知る事こそが、その店などを本当の意味で知る事の出来る術なのかもしれませんね。