今、新型コロナウイルスの蔓延により、全世界がストップしているという異例な事態に陥っています。
もちろん日本もです。
学校は休校になり、会社は閉鎖をしています。
そんな異様な状況で、一時帰休という言葉をよく聞くようになりましたよね。
会社を一時的に閉鎖することです。
会社側も苦肉の選択をせざるを得ないほど、経済が停止している状況なのは理解をしていますが、従業員一人一人にも生活があります。
会社が休みになってしまうということは、お給料はどうなるのだろう?
無給?有給?
有給の場合は、給料の計算はどうなるのでしょう?
何か、特別な条件があるのでしょうか?
今後今と同じような状況がないとは言い切れません。
しっかり、理解をし、損をしないように知識を武器に、この状況を乗り切りましょう。
一時帰休の場合の給料の計算はどうなるの?何か条件はあるの?
一時帰休の場合、会社は従業員に対し、平均賃金の60%以上を休業手当として、支払わなくてはいけません。
しかしそういわれたところで、どうやって計算しているのか、結局いくらもらえるのかが分からなければ、振り込まれた金額が正しいかをしっかりチェックできませんよね。
①正社員の場合
直近三か月の基本給(残業代を含む)÷直近三か月の出勤日数で平均賃金が出ます。
基本給には、残業代や通勤費も含まれる点に注意してください。
月給の場合は、平均賃金が出しやすいですね。
休業手当は、平均賃金の60%以上です。
②パート、アルバイトの場合
時給制で働くパートやアルバイトの場合も、正社員と同様に休業手当の対象となります。
ただ、労働日数が少ないなどの理由で、平均賃金が安くなりがちです。
なので、その場合は、「最低保証額」を算出し、いずれかの高い方を適用することとされています。
例)
時給:1,000円
勤務時間:8時間/日
勤務日数:15日/月
直近三か月:4月1日~6月30日の91日間
平均賃金の計算方法(通常の場合):
直近三か月の賃金総額÷直近三か月の総歴日数=(1,000円×8時間×15日×3か月)÷91日=3,956円
平均賃金の計算方法(最低保証額の場合):
直近三か月の賃金総額÷その期間の実労働日数×60%=(1,000円×8時間×15日×3か月)÷(15日間×3か月)=360,000÷45×0.6=4,800円
通常に平均賃金と最低保証の平均賃金を比較し、高い方が支給されます。
この場合は、最低保証の方が高いので、最低保証額の4,800円が採用されます。
③派遣社員
派遣社員も、休業手当の支払い対象となります。
支払い義務は、派遣元の企業となります。
休業手当に決められた法律のルールはなく、会社ごとに定められています。
お金を保証する場合もあれば、違う派遣先を紹介される場合もあります。
一時帰休になった場合、派遣元とトラブルにならないようにするためにも、事前にルールを確認しておくといいでしょう。
休業手当のルールとして、平均賃金の60%以上という決まりがあります。
「以上」というのは、実際平均賃金の何パーセントの支給かは、会社により異なるからです。
アンケートによると、多くの企業が、最低ラインの60%ではなく、少し多くのパーセンテージを、休業手当に当てているという声もあります。
なので、あなたが務めている会社が、休業手当に何パーセントの保証をしているのかは、事前に確認をする必要があります。
60%未満の場合は、法律違反ということもしっかり覚えておきましょう。
内定採用後の入社の人はどうなるの?
出典:https://www.recruit-ms.co.jp/open-course/live/0000000039.html
学生の時、一生懸命就職活動をし、企業から内定を貰って4月から晴れて社会人!
そんな意気込みも虚しく、入社をして、一日も働くことなく一時帰休になってしまって自宅待機を強いられている、という社会人一年目の方も多くいると思います。
そんな場合の休業手当は、どうなるのでしょうか。
まず、もちろん新入社員も休業手当の対象になります。
しかし、直近三か月の経歴がないので、計算ができません。
その場合は、「入社後の期間中の賃金総額」で計算することになります。
入社日から休業の前日までの賃金を、その期間の歴日数で割って平均賃金を出します。
では、入社日から一時帰休になってしまい、一日も出勤せずに休業手当してしまった場合はどうでしょう。
賃金がない場合は、「都道府県労働局の定めるところによる」とされているのです。
平均賃金は、インターネットで簡単に検索できることができます。
会社がある都道府県の平均賃金を検索すれば、安心して収入を確認することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
・一時帰休の計算方法は、雇用形態により異なる!
・パート、アルバイトの場合は、平均賃金と最低保証額を比べて高額の方を適用する!
・新入社員も休業手当の対象になる!
・休業手当のパーセンテージは会社により異なる!
一時帰休中の給与振り込みの金額の根拠が分からないと、給与計算者がミスをしていても気が付くことができません。
みんなが初めてのことで慣れていない状況だからこそ、自分のことは自分でしっかり守らなくてはいけません。
私は以前、数社で給与計算などを担当していましたが、部署内でトリプルチェックをしても間違えることはあります。
なので、自分のお給料のチェックは、しっかりできるようにしておくことをおすすめします。