紀平梨花16歳GPファイナル初優勝!浅田真央を超える逸材!?

日本の女子フィギュアスケート界に新たなスターが誕生した。

グランプリファイナルはグランプリシリーズを勝ち抜いた「世界トップ6による世界一決定戦」

今年のグランプリファイナル女子シングルは、日本勢が2010年以来8年ぶりとなる3名の出場を決め、残りの3名がロシアという【日本vsロシア】という形になった。

その大舞台にグランプリシリーズデビュー戦優勝を果たし、2戦目のフランス大会でも連続優勝の快挙を達成した紀平梨花がシニアデビューシーズンでのグランプリファイナル初進出を決め、その世界最高峰の頂上決戦を制し見事初優勝という快挙を成し遂げ凱旋帰国を果たした。

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浅田真央に次ぐ快挙

シニアデビュー1年目にしてグランプリファイナルを制したのは2005年の浅田真央以来13年振りの快挙。

SPでは課題にしていた冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を見事に成功させ、すべてのジャンプを決めて、今季世界最高得点を大幅に更新する82.51点を記録し首位に。


平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワは77.93点で2位。

そして迎えたフリーは、冒頭のトリプルアクセルに挑んで着氷が乱れ両手を氷についてしまったためコンビネーションジャンプを失敗。


その後滑走中にジャンプの構成を変更して残りのジャンプ全て成功させ、今季自己ベストの150.61点をマークした。


合計233.12点は2位のザギトワを6.59点も上回っての優勝。

この高得点を得るための構成変更を演技しながらやってのけた強心臓こそが優勝出来た理由だろう。

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高得点に結びついたジャンプ構成

◇3アクセル+3トゥループ◇ → ◆3アクセル◆

◇3アクセル◇ → ◆3アクセル+2トゥループ◆

◇3ルッツ+2トゥループ◇ → ◆3ルッツ+3トゥループ◆

◇のジャンプから◆のジャンプに変更

これによって、最初にマイナスになった分を後半で大きな加点に変えていけた。

3回転ジャンプは同じ種類のジャンプを単独で2回、2回点ジャンプは同じジャンプを単独で3回飛んではいけないというルールがあって、もし飛んだ場合点数が70%に減ってしまいます。

それを回避するために紀平梨花は瞬時にコンビネーションにするという判断をしたのです。

この判断は最初のジャンプの失敗を補うというより加点を増やすための攻めの変更でしょう。

初ファイナルでしかもSでザギトワを押さえて首位発進。

優勝というプレッシャーがあった上でのこの判断力はもうお見事!というしかない。

「(ファイナル優勝は)全然想像していなかったけど、練習を頑張ってきて良かったなと今は思います。1つ目のトリプルアクセルがミスになってしまったけど、そのあとの切り替えがうまくいって、緊張感もあったと思うけど、うまく集中に変えて、あとのジャンプをうまくできたことが良かった」

この言葉から練習を積み重ねてきたことによる自信の大切さがわかります。

「ファイナルの優勝がすごく大きなことだったんだな、と改めて思った」

これが16歳の本音だろう。

「あなたのいいところは、トリプルアクセルだけじゃないからね」

そう言って送り出した浜田コーチの言葉が紀平梨花の心を強くし今回の好判断に繋がったのだろうか。

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4回転ジャンプは「ヨコミネ式」が基礎?

すでに2017年の強化合宿で4回転ジャンプをきれいに決めていた紀平梨花。

その身体能力の高さは幼稚園時代5歳の時にすでに始まっていたのかもしれない。

紀平梨花が通っていた幼稚園では「ヨコミネ式」という教育法を実践していたという。

「ヨコミネ式」とは、「読み・書き・計算」等の学ぶ力+「走力・水泳・体操」という体の力などの基礎を幼少期から実践させる教育法で、才能を早期に開花させる狙いがあるという。

実際、ここの園児たちは「逆立ち歩き」「側転」を器用にこなし、「跳び箱」に至っては9段をも楽々とこなしている子もいる。

紀平梨花が5歳の時、片手できれいに側転している映像が公開された。

もともと身体能力が高かったのだろう。

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優勝への重圧と女性ならではの体型の変化との闘い

「ヨコミネ式」という地盤があって今の演技につながっているとしても、グランプリファイナル優勝という重圧はこれからのしかかってくるだろう。

「ファイナル優勝は思ってもみなかった。

今年はどんな大きい試合でも気持ちをコントロールできた。

(今日も)今やっていることを出せた。

(優勝は)全然プレッシャーにならず、これから頑張ろうと。

プレッシャーでなく自信になる」

と堂々と話したというが、本人が自覚しなくても日を追うごとに次の大会への優勝という言葉が重くのしかかってくるのではないだろうか。

それとともにまだ16歳というスリムな体型から女性へと自然と成長していってしまう体型をどうカバーしていくのか。

ザギトワ選手はオリンピックから今回の大会までの短期間に身長が7cm伸びたと言われている。

この急激な変化がジャンプに影響を及ぼさないわけがないと思う。


浅田真央のジャンプの不調もこういった変化からだったのではないだろうか。

体の軸がズレたり、体重の変化による負担もあると思う。

キーワードは「筋肉」と掲げ、安定性を求めていく過程で「最近は筋肉の調整の仕方が分かってきた」と1つのポイントを見つけたという。

それを自信にプレッシャーを感じない若さで乗り切っていってくれるかもしれない。

シーズン前には「4回転を習得して、北京には合わせていけたらいいなと思っています」と誓った言葉を信じたい。

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最後にまとめ

プレッシャーとは本人が気づかないうちに忍び寄ってきて、ふとした瞬間に気づいてしまうものなのかもしれない。


16歳という若さ、あの堂々とした物怖じしない笑顔。


全日本選手権ではグランプリファイナルのフリー演技での強心臓が本物で、紀平梨花には不調という言葉はない!と、その明るい笑顔で証明してもらいたい。

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