【長時間待たされる病院の理由とは?欧米との医療の現場の違い】

あなたは、病院に行くといつも「待ち時間が長い」と意識したことはないでしょうか?


最近は、ネットによる予約システムが導入されてきていますが、それでも、「長いな~」と感じます。初診で病院にいくと必ずといってもいいほど、待たされるので、その間に買い物をしたり食事をしたりして時間を待つことが多いです。

また、総合病院で予約をして指定した時間に受診をしたのに、何故か、30分も待たされたりすることはよくある話です。

しかし、欧米では、当日診療ができないシステムとなっており、待ち時間が週単位や月単位になることは、珍しくありません。

それは、どういった仕組みなのでしょうか?

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日本における医療方針と医療制度

日本の医療制度として、「患者本位の医療を心掛けている」という方針があり、日本の医療機関は欧米などと比較して、予約なしで当日外来を受診する患者を、その日のうちに診察しようとする為、どうしても時間がかかってしまうからなんです。


特に、大学病院には専門性の高い医師が沢山いるため、予約なく突発的に患者の受診を受け入れようとし、また、患者も多く訪れています。

欧米各国では、「緊急性」がない限り、予約なしの患者が当日専門医の診察を訪れて治療を受けることは困難です。


安倍政権では、働き制度改革を行っていますが、欧米と比べて改革が遅れているのが現状です。


また、欧米では医師の働き方改革が進んでおり、日本の医療システムのように長時間労働にならないようしっかりとした「予約制」を採用し、自分の診てもらいたい専門医の予約待ちが数カ月先ということが珍しくありません。

しかも、待つことができない為に救急外来で訪れる患者もいますが、緊急性がないと判断して予約をとってから受診するよう患者に伝えるシステムになっています。

日本では、どの病院もある程度、当日外来に来た患者を受け入れ、当日に診察しようと努力する医師や医療機関が多数を占めています。

その為、日本の医療を受けようと受診した患者は、待ち時間なく治療を受けることができる為、「患者本位」に沿った日本独自の医療だと言えるでしょう。

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日本に欧米の医療システムを導入したらどうなるの?

もし、日本に働き方改革を医療自体に導入した場合、どのようなことが想定されるのでしょうか?

病院の待ち時間を短くする為の効果的な対策として挙げられるのは、「予約制を徹底する」「緊急性のない患者は受け入れず予約してもらう」「外来に十分な医療従事者を配置する」ことが対策として考えられます。

しかし、「患者本位」の医療を抜本的な見直しをすることで、従来行ってきた日本の医療機関の努力を否定し、病院に患者がいきにくくなってしまうことに繋がり理解を得にくいと考えられます。

また、診断や治療の遅れが患者の不利益に繋がってしまう事態も想定されることでしょう。

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日本の医療体制と医療現場の実態について

医療報酬の割合として高いのは、当然、入院や手術をすることで病院として利益を得ていますが、外来でくる患者の診療報酬は、単価が低い為、あまり利益に繋がらず赤字経営に陥っている病院も少なくなりません。


現在、待ち時間短縮を進める為、大病院の外来受診をする場合、患者の経済的負担を増やすことで外来数を抑制しようと紹介状のない初診患者が大病院を受診する際には、「選定療養費」を徴収するよう厚生労働省は各病院へ通達し指導しています。


実際に現場の医師はオーバーワークで過労が問題視されています。

まずは、大病院に直接かからずに地元もかかりつけ医に相談・治療し、大病院を紹介してもらい紹介状を持って大病院で診てもらう、というのが本来あるべき医療姿でしょう。


始めから大病院へ受診していたら、「地元のクリニックは何の為にあるの?」という話になりますよね?


なので、今後、患者が地元の診療所などに登録し、医療機関は登録人数に応じて診療報酬を受け取る「人頭払い」(人頭制)にすることも検討してもいいかと思います。外来受診抑制につながり効果を発揮することでしょう。

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医療の本来あるべき姿とは?

このように、働き方改革によって医療従事者の労働についても課題の1つとして取り立たされることだと思います。

日本独自の「患者本位」の医療という大切な精神を持ちながら、如何に予約システムや指定医という枠決めを制度化し、また、患者自身もそれを守り医療改革を行っていかなければならないのか?という課題が表面化しています。

地域医療といいながらも大病院へかかってしまったら大病院の医療従事者が不足することは当然であり、本当の急患が受け入れられず何時間も救急車内でたらい回しにされてしまうという問題も解消することでしょう。


地域の診療所やクリニックが何であるのか、地域医療が何故大切なのか、ということを国民もしっかりと理解し、ルールに乗っ取った医療システムを構築するべきでしょう。

医師もまた、1人の人間であるため大企業と同じように過労死問題や心の病にかかってしまう可能性は十分あり得ます。

命を助ける為に、命を削るというのは、おかしな話でしょう。

人の命を救うには、十分な休息と安眠、生活リズムと健康があって1人の医師として認められるのだと思います。

医師の「人権」「権利」の保障も認められと当然の権利であると私は考えます。

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